中日ドラゴンズ英智と中小企業経営
2014/07/23(水)
近年、企業のDX化(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、システム開発の需要がますます高まっています。
とはいえ、「自社の事情や業務に合わせてシステムを開発したい」と思っても、どのような受託開発会社に依頼すれば良いか分からず、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、受託開発のメリットやデメリットをはじめ、開発会社の選び方について詳細に解説した上で、おすすめの受託開発会社を10社厳選してご紹介します。 これから受託開発の依頼を検討している方は、ぜひ参考になさってください。
受託開発とは、企業がシステム開発やソフトウェア開発を外部の開発会社に委託する形態のことを指し、発注企業の要望に沿ったシステムをオーダーメイドで開発した上で、完成後に納品するのが一般的です。
受託開発会社に依頼することで、企業は自社でエンジニアを雇用する必要がなくなります。 その結果、自社のコア業務に注力しつつ、専門的な技術力を持つ外部の開発会社と協力しながらプロジェクトを進められるようになるのです。
受託開発とよく比較されるのが「SES(システムエンジニアリングサービス)」です。どちらも外部のエンジニアを活用する形態ですが、以下のような違いがあります。
受託開発:開発会社にプロジェクト単位で発注し、納品物としてシステムやアプリを受け取る
SES:開発会社からエンジニアを派遣してもらい、自社の指示のもと業務をおこなってもらう
端的に違いをまとめると、受託開発は開発の責任が発注先(開発会社)にあるのに対し、SESは派遣されたエンジニアを管理するのが自社の役割となります。そのため、開発を一括で任せたい場合は受託開発、自社でプロジェクトを主導しながらエンジニアを補充したい場合はSESが適しているといえるでしょう。
受託開発と混同されやすいのが「SIer(エスアイヤー/システムインテグレーター)」です。
SIerは、システム開発や運用、ITコンサルティングなどを請け負う企業や事業を指します。一方、受託開発はソフトウェア開発の依頼を受けて開発をおこなう契約形態を意味するため、SIerは企業・サービスの名称であり、受託開発は契約形態を指すという違いがあります。
SIerの多くは受託開発をおこなっていますが、すべてのSIerが受託開発のみを提供しているわけではなく、自社製品の開発を手がける企業もあります。
受託開発を利用することで企業はシステム開発を外部に委託でき、多くのメリットを得られます。
ここでは、代表的な3種類のメリットについて、詳細を確認していきましょう。
受託開発の1つ目のメリットは、自社に合うシステムをオーダーメイドできることです。
オーダーメイドのシステム開発により、既製品のソフトウェアでは対応できない業務にも最適化できるため、業務の効率化や生産性向上につながります。 また、将来的な機能拡張も考慮した設計が可能なため、事業の成長に応じて柔軟にシステムを進化させられる点も大きなメリットです。
受託開発の2つ目のメリットは、プロジェクト開始時に開発範囲や費用を明確に定めるため、予算の見通しを立てやすいことにあります。
自社で開発を進める場合は予期せぬコストが発生することもありますが、受託開発では事前に詳細な見積もりが提示されるため、計画的な投資が可能です。 また、最低限の機能から導入することで、初期コストを抑えつつ運用を開始することもできるのです。
受託開発の3つ目のメリットは、自社リソースを削減できることです。
システム開発を外部に委託することで、社内のエンジニアを確保・育成するコストや負担を軽減できます。特に、IT部門がない企業や専門知識を持つ人材が不足している場合、受託開発は合理的な選択肢となります。 また、開発会社によっては、運用・保守まで対応できるため、開発後のシステム管理の負担も軽減できます。これにより、自社のリソースをコア業務に集中させ、業績の向上が期待できるのです。
受託開発を成功させるためには、開発会社の選定が非常に重要です。不適切な企業を選ぶと、開発の遅延やコスト超過、品質の低下などのリスクに繋がる可能性があるためです。
ここでは、受託開発を依頼する際に確認すべき4つのポイントについて、詳しく確認していきましょう。
受託開発の依頼で失敗しないためには、依頼したい内容と業者の得意分野がマッチしているかの確認が重要です。
受託開発会社には、業務システムの開発に強い、Webサービスやアプリ開発に特化している、AIやIoT技術に強みがあるなど、それぞれ得意分野があります。 そのため、公式サイトの過去の開発事例などを確認して得意分野を見極めたうえで、自社の開発ニーズに合った技術力やノウハウを持つ業者を選ぶことが重要です。
受託開発会社を選ぶ際は、過去に自社と似た業界や業務のシステム開発を手がけた実績があるかを確認することが重要です。
その際、公式サイトに掲載されている開発事例や過去の導入事例をチェックすると良いでしょう。業界特有の要件や規制を理解している企業であれば、要件定義や仕様策定がスムーズに進み、ミスマッチを防ぐことができます。
受託開発会社を選ぶうえで、運用・保守などのアフターフォローの詳細も、確認しておくべきポイントです。
システムは開発して終わりではなく、エラーやバグの修正、機能のアップデート、セキュリティ対策といった運用・保守が欠かせません。そのため、開発会社がどこまでの範囲をどれくらいの期間サポートしてくれるかについて、事前に確認しておくことが大切です。 サポート体制が不十分な会社を選んでしまうと、運用開始後に問題が発生した際に対応が遅れ、業務に支障が出る可能性もあるので注意しましょう。
受託開発は、長期間のプロジェクトになることが多いため、開発会社の担当者との相性や信頼関係も重要なポイントになります。
初回打ち合わせの際の、提案の内容や説明の分かりやすさ、レスポンスの速さなどをチェックし、信頼できるかどうかを見極めましょう。 また、プロジェクト中に担当者が頻繁に変わると、スムーズな進行が難しくなる可能性があります。そのため、開発期間中の担当者の継続率についても、事前に確認しておくと安心できます。
ここでは、受託開発の実績が豊富で、信頼できる企業を10社厳選してご紹介します。
開発領域や得意分野を比較しながら、自社に最適な開発会社を見つけましょう。
画像出典:フレシット株式会社HP
フレシット株式会社は、業務システムやWebシステムなどを中心に、多岐にわたる受託開発を手がけています。
顧客の要件に応じ、システムをゼロから構築するため、柔軟かつ高いカスタマイズ性を実現可能。プロジェクトごとに最適なチームを編成するからこそできる、スピード感のある開発も多くの企業から高く評価されています。 また、リリース後の保守やアップデートも迅速に対応しており、長期的なパートナーシップを期待できます。
画像出典:株式会社スーパーソフトウエアHP
株式会社スーパーソフトウエアは、1983年創業の老舗IT企業で、業務システム開発、クラウドソリューション、AI・IoT技術を活用した開発を得意としています。
受託開発のほか、SES(システムエンジニアリングサービス)事業も展開しており、上流工程からの支援が可能です。長年の経験を活かし、確実なプロジェクト遂行をサポートします。
画像出典:株式会社GeNEE HP
株式会社GeNEEは、Webシステムや業務アプリの開発に強みを持ち、スタートアップから大手企業まで幅広く対応しています。
DX推進を目的としたシステム開発支援を提供しており、企画・設計から開発・運用までワンストップでサポートが可能です。特に、UI/UXを意識した受託開発に強みを持っています。
画像出典:SCSK株式会社HP
SCSK株式会社は、50年以上の歴史を持つ大手IT企業で、国内外8,000社以上のクライアントにサービスを提供しています。
大規模システムの開発を得意とし、特に金融・製造業向けのソリューションに強みがあります。クラウドインテグレーションやセキュリティ対策にも精通しており、長期的な開発プロジェクトにも対応可能です。
画像出典:株式会社アクセラリージェンシーHP
株式会社アクセラリージェンシーは、ローコード開発やアジャイル開発を活用し、短期間でのシステム構築を実現する企業です。
業務効率化システムやECサイトの開発に強みを持ち、内製化支援やITコンサルティングも提供しています。柔軟な開発体制を持つため、短納期の受託開発プロジェクトにも対応可能です。
画像出典:アイレット株式会社HP
アイレット株式会社は、AWS(Amazon Web Services)のプレミアパートナーとしてクラウド環境の構築・運用を得意とする企業です。
システムの受託開発のみならず、インフラ設計やデザイン制作など幅広いサービスを提供しており、DX支援にも強みがあります。短期間でのリリースが求められるプロジェクトにおいても、スピーディな対応が可能です。
画像出典:ピセ株式会社HP
ピセ株式会社は、受託開発において豊富な実績を持ち、クライアントのニーズに合わせた柔軟な対応が可能な企業です。
業務システム、Webアプリケーション、モバイルアプリ開発を中心に、幅広い技術領域に対応しています。特に、中小企業向けの業務改善システムの開発に強みがあり、豊富な開発実績があります。
画像出典:ソリッドコミュニケーション株式会社HP
ソリッドコミュニケーション株式会社は、業務システムやWebシステムの開発を中心に事業を展開しています。
ヒアリングから開発・運用まで一貫した対応が可能で、特に金融・流通・医療業界のシステム開発において、豊富な実績を持ちます。技術力の高さとプロジェクト管理能力に定評があり、受託開発においても安心感を得られる企業です。
画像出典:株式会社LIG HP
株式会社LIG は、Web制作・システム開発・メディア運営など、多岐にわたる事業を展開している企業です。
特に、UI/UXデザインを重視したシステム開発が得意で、クリエイティブな視点を取り入れた開発に強みを持っています。Webサービス・アプリ開発において、デザイン性の高いシステムを求める企業におすすめです。
画像出典:bravesoft株式会社HP
bravesoft株式会社は、スマートフォンアプリの受託開発に強みを持ち、数多くのプロジェクトで実績を積み重ねています。
特に、イベントアプリ・メディアアプリの開発に定評があり、UI/UXにこだわったアプリ開発を得意としています。また、運用保守やマーケティング支援も提供しており、長期的なパートナーシップを築ける企業です。
今回は、受託開発の概要やメリット・デメリット、開発会社を選ぶ際のポイント、そしておすすめの受託開発会社について詳しく解説してきました。
受託開発は、自社の業務に最適化されたシステムをオーダーメイドで構築できるため、業務効率の向上や競争力強化に大きく貢献します。
特に、既存のパッケージソフトでは対応できない独自の要件がある場合や、長期的な運用・拡張を視野に入れている企業にとって、受託開発は非常に有効な選択肢となるでしょう。
一方で、開発期間やコストがかかること、開発会社とのコミュニケーションが重要になることなど、事前に把握しておくべき課題も存在します。そのため、信頼できる開発会社の選定が成功のカギとなります。
今回ご紹介した内容を参考に、開発実績やアフターサポートの内容、担当者の対応などを慎重に確認し、自社のニーズに最適なパートナーを選びましょう。