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2021/11/11(木)
大企業に比べて資本力が低い中小企業は、政府や自治体が運用している補助金制度を積極的に導入したいところです。今回ご紹介するのは中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構の「ものづくり補助金」です。
経営コンサルティング会社の視点からものづくり補助金とは何か、どういった企業に適した補助金なのかなどをご紹介します。
ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。ものづくりと聞くと「製造業だけが対象なのかな?」と誤解しがちですが、実際は幅広い中小企業に適用される補助金制度であり、制度の主眼はものづくりではなく「生産性向上の促進」です。
まず安心していただきたいのは、大半の中小企業が補助対象になることです。実際の補助対象条件を見てみましょう。
出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領
問題なのは対象企業ではなく対象事業です。ものづくり補助金のうち一般型・グローバル展開方・ビジネスモデル構築型のどれを選ぶかによって対象事業の内容が異なります。
<一般型>
中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・ サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援
<グローバル展開型>
中小企業者等が海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サー ビス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・ システム投資等を支援(①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド 市場開拓、④海外事業者との共同事業のいずれかに合致するもの)
<ビジネスモデル構築型>
中小企業のバックオフィス業務等のDXを支援する新規事業等、(デザイン経営による中小企業の事業革新等を支援するプログラム、ロボットや3Dプリンタ等を用いたビジネスモデル転換を試行等)、海外市場のニーズ調査等による事業開発を支援するプログラム等
また、それぞれに補助対象経費と補助金額も異なります。
対象経費 | 補助金額 | |
一般型 | 【通常枠】 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、 クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 【低感染リスク型ビジネス枠】 上記に加えて、広告宣伝費・販売促進費 |
100~1,000万円 |
グローバル展開型 | 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサ ービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費 | 1,000~3,000万円 |
ビジネスモデル構築型 | 人件費、機械装置・システム構築費、謝金、会議費、技術導入費、運搬費、クラウドサ ービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費、広報費 | 100万円~1億円 |
ちなみにビジネスモデル構築型は大企業も補助対象になります。
ものづくり補助金は通常、1~3ヶ月間の応募期間、約2ヶ月間の審査期間、約2ヶ月間の交付申請期間、最大10ヶ月の補助事業実施期間というスケジュールで実施されます。これらを経て補助金を受け取ることができます。
出典:ものづくり補助金総合サイト「公募スケジュールについて〔一般型・グローバル展開型〕」
補助事業実施期間中には中間監査があり、さらに期間終了後には実績報告書の提出を行い確定監査を受けます。最終的に補助金額が確定するという流れです。
従ってものづくり補助金の受給対象になった企業は、設備導入など事業に関係する経費の記録、事業内容の記録などをこまめに行い、それらを提出できる状態にする必要があります。
前述のようにものづくり補助金の主眼は「生産性向上の推進」に置かれています。従って製造業だけでなく全ての企業が補助対象になります。では、どのような企業がものづくり補助金に申請すべきなのか?
ポイントは「経営上の課題が明確であるかどうか」です。例えば「コロナ禍の影響で売上低迷」という経営上の問題が生まれたとして、それだけではものづくり補助金を受け取れない可能性が高いでしょう。「売上を回復するために何が必要か?どんな設備を入れればいいのか?それによって生産性や期間利益計上にどのような効果をもたらすのか?」といった課題まで明確になっているのが重要なポイントなのです。
具体的にどんな企業が、どんな理由でものづくり補助金を受けっているのだろうと気になる方は以下の事例ページから色々と参考にしてください。
ミラサポplus 中小企業向け補助金・総合支援サイト 事例ナビ
ものづくり補助金に限った話ではありませんが、補助金申請に通りやすい企業と通りにくい企業の2タイプが存在します。以下にそれぞれの特徴を列挙しますので、比較しながら通りやすい企業となれるよう努力しましょう。
<通りやすい企業の特徴>
- ビジネス課題が明確であり、結果に結びつくビジョンが見えている
- 申請する補助事業に創意工夫がある
- 申請文書を上手に作成するスキルがある(文章力や図解の使い方問題)
<通りにくい企業の特徴>
- 補助申請に通るためのテクニック先行で補助事業の中身が伴っていない
- 「今の設備には不満がある」など単純な理由で申請している
- 補助事業の中身はあってもそれを具体的に説明するスキルがない
ものづくり補助金は一般型でも最大1,000万円を受け取れるとして、大変人気の高い補助金制度です。全体の採択率はあまり高くないので競争が激しいですが、中身がしっかりした補助事業である、創意工夫があるなどのポイントを押さえれば高い確率で採択されます。
経営や売上などに問題を抱えている中小企業は、まずそれらを解決するために何が必要かと具体的な事業について考えてみましょう。時には経営コンサルティング会社に相談し、補助金採択に向けた助言を受けるのも方法の1つです。