営業改革のためにマーケティングオートメーション(MA)の活用を!
2021/07/01(木)
目次
企業経営にとって「マーケティング」は、経営戦略の要です。
マーケティングによる調査・分析がなければ、企業は今後の経営方針を立てることができないでしょう。そして、マーケティング戦略に従い、実行しなければ企業は成長することができません。
そのため、多くのビジネス本では「戦略」だけでなく、「マーケティング」の重要性も書かれていることが多いのです。
そして、インターネットが急速に普及する現代社会において、マーケティングの主流は「WEBマーケティング」へと移り変わりました。
いまや業種・業態・規模を問わず、企業の経営改善もしくは利益向上を目指すのであれば、WEBマーケティングへの取り組みが不可欠となっているのです。
にも関わらず、企業経営者の方からは、よくこんな声が聞かれます。
「WEBマーケティングは知らなければいけないことが多いし、変化の早さにもついていけない」
「WEBマーケティングは全くの素人なので、外部に丸投げしたいのだが……」
「社内に誰もWEBマーケティングに詳しい人がいないので、何から始めればいいか分からない」
そこで、企業側からWEBマーケティングに特化した会社に外注するケースも増えています。
WEBマーケティングのプロに任せることは、決して間違った選択ではないでしょう。
ただし、その場合、
本当にあなたの会社の力になってくれるWEBマーケティング会社選びが重要になってきます。
自社の目標を達成するためのWEBマーケティングを行ってくれる会社を選ぶには、どんな点に注意すればいいのか。今回はそんなWEBマーケティング会社の選び方をご紹介します。
では、WEBマーケティング会社の選び方をご紹介する前に、まずは「WEBマーケティングとは何か?」について触れたいと思います。
インターネットの商用利用が開始されたのは1990年代のこと。以降、WEBマーケティングと、それをベースとしたサービスも大きく変化してきました。
検索エンジンとしては、1994年にYahoo!が創業。続いて1998年にGoogleが創業されました。
インターネット・メディアの数も、ポータルサイトの登場から、Amazonなどのインターネット・ショッピングサイト(ECサイト)、オークションサイトなど急増しています。
Twitter、Facebook、Instagram、LINEといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も、挙げればキリがありません。
さらにデバイスもパソコンだけでなく、アメリカでは2007年に、日本では2008年にiPhoneが発売され、スマートフォン・タブレットの普及によりWEBマーケティングも、さらに複雑化してきています。
もしかしたら数年後には、パソコン・スマートフォン・タブレットの他に新たなデバイスが増えているかもしれません。
それだけ、私たち消費者を取り巻く環境の変化は目まぐるしく、同時にライフスタイルも大きく変わっているのです。
そうした様々なデバイスが普及し、SNSもTwitterやInstagramなど数多くの種類が多くの消費者に利用されている市場において、そのWEBを活用したマーケティング活動のことを総称してWEBマーケティングと呼ばれています。
WEBマーケティングには厳密な定義は存在していませんが「WEB媒体を利用してマーケティングを行うこと」ですから、時代の流れによって手段や具体的な内容は変化していきます。だからこそ、時代の流れが急激に変化する現代においてWEBマーケティングは理解されにくいものなのかもしれません。
そして、年々デジタル家電は進化を遂げており、これからも更に便利なWEBサービスやIT技術が開発されていくはずです。
これはまさに、WEBマーケティングの手法がこれからも間違いなく増えていくにことを意味しているのです。
WEBマーケティングを考える前に
まずは「WEBマーケティングとは何を指すのか?」ということを定義しておかなければなりません。
おそらくその定義は、マーケティング会社や「マーケター」と呼ばれるマーケティングの専門家によって大きく異なるでしょう。
インターネット上にも、書籍などでその範囲を確認しようとしてもWEBマーケティングに関する情報が氾濫していて、何が真実なのかわからないままになるでしょう。
とはいえ、WEBはWEBであり、マーケティングはマーケティング。簡単にいえば、WEBマーケティングとは、WEBを使ったマーケティングでしかありません。
つまり、
・WEBを使った自社ならびに自社商品・サービスのプロモーション
・WEBを使った消費者(ユーザー)とのコミュニケーション活動
・WEBを使ったユーザーの行動・自社のデータ収集と分析
・WEBを使った自社商品およびサービスの販売
・WEBとはWEBサイトやsns・ITツールなども含む
以上がWEBマーケティングの定義ということになります。
以前はプロモーションのために高額の広告費を支払ってテレビやメディアなどの各メディアで告知してもらい、イベントを開催して、アンケートを取り、お客様の声を生かして商品を開発・販売する……といった手法が一般的でした。
同時に、それだけの費用をかけられる企業でなければ、大規模な経営戦略を立てることができなかったものです。
WEBマーケティングでは、上記を全てWEB上で行うことができます。さらにアクセス解析や分析ツールなどの普及により、収集できるデータの量も格段に上昇しました。
それほど費用をかけずとも、大企業ではなく中小企業もこうしたデータを、しかも大量に集めることが可能になったのです。
WEB上であればユーザーの声に対してすぐ反応できるので、企業側にとっても消費者側にとっても、そのメリットは大きいわけです。
もちろんWEBマーケティングに関して問題がないわけではありません。むしろその問題点が、WEBマーケティング会社を選ぶうえでも重要なポイントとなってくるのです。
WEBマーケティングの中身は、その時々の流行はテクノロジーの進化によって目まぐるしく変化しています。
ここでは、定番となっているWEBマーケティングの種類についてお伝えしたいと思います。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略の頭文字をとった略語です。WEBサイトのGoogle検索やYahoo!検索などで上位表示させるための対策のことを指します。ホームページを中心としたマーケティングにおいては最も重要だとされています。
MEOとは「Map Engine Optimization」の略の頭文字をとった略語です。Google検索したときにキーワードによっては地図が表示される自社の情報を上位表示させる対策のことを指します。SEO対策とMEO対策は異なるアルゴリズムで決まるため、分けて検討しなければなりません。
今、最も勢いのあるSNSがInstagramです。画像を中心にアップするSNSで20代、30代の女性を中心に利用者が多いのが特徴です。40歳以上の方に利用されているのがFacebookになります。どちらもFacebook社のアプリケーションで日本はもちろん世界中で人気があります。
これまで安定的に利用されているSNSでありながら、独自の地位を得られているのがTwitterです。特徴としては即時性と拡散性とい言われています。即時性とは、情報の鮮度が非常に早く、情報が公開されて数分以内に拡散されることも多くあります。
中国発のSNSでショートムービーを簡単に公開できるのがTikTokです。手軽に動画を加工してアップすることができるのが魅力です。主に10代、20代を中心に利用されており、若年層へのマーケティングに向いているとされます。これからシェアを広げることができるか注目されています。
主にはyoutubeを中心に動画コンテンツを通じてユーザー認知を高めるマーケティングです。youtuberという仕事が一般化するほどのインパクトがあり、個人ブランディングだけではなく企業においても動画マーケティングが注目されています。
コンテンツとは、主にWEB上の情報コンテンツを発信することによりアクセスを集める手法になります。コンテンツを検索上位にあげるSEO対策とセットにして考えることが一般的です。コンテンツマーケティングは、一般的にはブログマーケティングともいわれています。
リピーター獲得や、見込み顧客のランクアップなどを自動的にやってくれるITツールがマーケティングオートメーションです。以前はメルマガなどでステップメールを配信していましたが、より詳細で高度なマーケティングが可能になっており多くの企業で導入されています。
Google検索結果に表示させるリスティング広告、WEBサイトに主にバナー広告で表示させるディスプレイ広告、一度サイトに訪れた人に再度告知するリマーケティング広告などが一般的。ターゲティング精度が高く、AIを活用して年々進化しているのが特徴でWEB広告において代表的な手段と言えます。
Yahoo!検索結果に表示させる検索広告、Yahoo!の様々なコンテンツで表示させるディスプレイ広告、GoogleでいうリマーケティングはYahoo!では理ターゲティングといわれます。Yahoo!のトップページの右側の大きなバナーをブランドパネルとよばれ、日本で最もみられるWEB広告の一つとされています。
Instagram/Facebookにおいて広告表示させる手法です。どちらも個人情報をしっかりと入力した上で利用するため、ターゲティングがかなり細かく設定することができるのが特徴です。性別はもちろん年齢も1歳単位で調整が可能なのでピンポイントでセグメントが可能になります。
youtubeに表示させる動画広告です。youtubeはGoogle社の所有でGoogleと同様に広告を行うことが可能です。 動画コンテンツを持っている場合にブランド認知を高めることが可能です。youtube市場の成長に伴い、急激に成長しているWEB広告市場です。
アフィリエイトとは成果報酬型の広告手法の一つです。主にブログや自分のホームページに広告を通じて購入や契約に至った場合に報酬を支払うといったスキームになります。商品を宣伝するアフィリエーター、アフィリエイトサービスを運営するASP事業者、広告依頼をする事業主との3社での取引関係となります。
日本で最も利用されているコミュニケーションアプリ「LINE」で広告表示させる手法です。まだ広告媒体として開始されて日が浅いため、ターゲティング精度が緩いのが課題ですが、圧倒的リーチユーザーが多いので、これから期待されている広告です。
アクセス解析では主にGoogle Analyticsを使いサイトアクセスを調査分析することが一般的です。そのほかGoogle Search Sonsoleやその他の分析ツールを駆使することもあります。大切なことは、調査結果をもとに改善するための施策を具体化することです。
TikTokにおける広告媒体です。主なターゲットが若年層が中心なので広告が効果的な業種業態はある程度絞られますが、対象がぴったり合えば使ってみる価値がある広告だといえます。
WEBサイトで設置することができるWEB接客ツールです。ユーザーの目的に対して情報をプッシュ通知してくれるためコンバージョン率を高めるために導入する企業が多いです。
LINE公式アカウントは、個人LINEとは異なり企業やブランドごとに使うことができるLINEアカウントになります。登録者に対してプッシュ通知でお知らせを送ったり、スタンプカードやクーポンなども発行することができるのでリピート獲得などにも有効です。無料から始められるので手軽に始められます。
Instagramなど画像系のSNSの一つとして人気急上昇中なのがPintarestです。画像の類似表示などの機能があり、画像検索するときに便利なのが特徴です。デザイン性に特徴がある商品サービスを提供している場合は使えるツールです。
EFOとは「Entry Form Optimization」の頭文字をとった略語になります。お問い合わせフォームを最適化させるための改善することでコンバージョン率を高める手法です。
LPOとは「Landing Page Optimization」の頭文字をとった略語になります。ランディングページを作成して運用する際に改善することでパフォーマンスを高めるための改善活動を指します。ランディングページは主に広告によって利用されるため少しの改善が大きなパフォーマンスにつながるため重要視されています。
ヒートマップとはユーザーがサイト訪問した際に、どのエリアを主に閲覧したか、クリックしたかなどを視覚的に確認することができるのが特徴です。 ユーザーエクスペリエンス(UX)の視点でサイト改善をはかることでコンバージョン率を高める手法です。
純広告とは、特定のメディアにて期間や表示回数などに対して課金される広告です。主には特定のWEB媒体に対して固定で掲載することが多いのが特徴です。アフィリエイト広告やタイアップ記事などでは今でも使われています。
様々なジャンルにおいて影響力のあるインフルエンサーを活用して認知を高めるマーケティング手法になります。ブログ・Instagram・youtubeなどが主な媒体とされます。インフルエンサーが抱えているフォロワー数・チャンネル登録者などの数によって影響力が違います。
まずWEBマーケティングは、インターネット社会の企業経営における“万能薬”ではありませんし、WEBマーケティング会社に依頼すれば、全て成功するわけでもありません。
ここでは、過去に企業経営者の方がWEBマーケティング会社に依頼された際に起きた、トラブル事例を挙げていきましょう。
そのなかから、WEBマーケティングの本質とは何か? どんなWEBマーケティング会社を選ばなければいけないかが、見えてくるはずです。
冒頭で、企業経営者の方々の「「WEBマーケティングは知らなければいけないことが多いし、変化の早さにもついていけない……」という声をご紹介しました。
実はこの声が上がるのは、本来クライアントである経営者の皆様だけではありません。WEBマーケティング会社も同じような状況に陥っているのです。
ひとくちにWEBマーケティングといっても、その施策は多岐にわたります。
・自社サイト制作
・LP(ランディング・ページ)制作
・SEO対策
・リスティング広告(SEM)
・SNS
・ECサイト
・コンテンツサイト
・各サイトのデータ分析
等々……
上記の施策はそれぞれ専門知識が必要となります。SEO対策のことを理解していても、リスティング広告の施策は行えない、というパターンも当たり前です。
かといって、SEO対策だけ行えば経営が改善される、リスティング広告のみで売上がアップするというものでもないのが、WEBマーケティングの難しいところ。
会社によって問題点や改善点は異なります。WEBマーケティングに限らず、様々な課題に対して、たったひとつの施策で全てをクリアできるはずがありません。
そこで、本来WEBマーケティング会社であれば、各分野の専門家をそろえておきたいところですが、それだけスキルの高い専門家を集められるかどうかは難しいところでしょう。
反対に、1人のスタッフが特定分野の専門知識を身につけることはできても、あらゆる分野の知識を1人が網羅することは不可能に近いでしょう。
しかも、常に新しいマーケティング手法が登場するので、その進化に付いていけないケースが出てきても不思議ではありません。
WEBマーケティング会社側からすれば、どのような依頼が持ち込まれても、自社の得意分野で対応しようとするでしょう。
その結果、施策が間違っているがために、何も改善されなかったという声も少なくないのです。
これはトラブルというより、「誤解」と言うべきかもしれません。
WEBマーケティングに関するトラブルで最も多い要因のひとつが、WEBマーケティング会社とWEB制作会社を混同してしまっていることです。
WEBマーケティング会社とWEB制作会社は、必ずしも同じではありません。
WEB制作会社は、企業経営を成功に導くためのサイトを設計し、制作してくれます。
でも、それは上記のWEBマーケティング手法でいえば「自社サイト制作」や「ECサイト制作」にあたり、同じ制作会社がデータの調査・分析まで行ってくれるわけではありません。
なかには「デザイン性」のみを求め、WEBマーケティングに基づいていないサイト設計を行う制作会社もあるほどです。
この場合、自社サイトを立ち上げて以降の調査・分析、新しい施策は自社で行わなければいけません。
WEBマーケティング会社とは、サイト設計まで含めてあらゆる施策を考え、提案し、実行までクライアントを導かなければいけない立場にありますから、WEBサイト制作のみを行う会社とは異なるわけです。
さらにWEBマーケティングの本質を突くような事例をご紹介しましょう。
とある企業様は、WEBマーケティング会社に依頼し、どれだけ施策を行っても業績が向上しなかったそうです。
なぜだろう? と思い、その会社の各データを見せてもらうと、その理由がはっきりしました。
そもそも、その企業の問題点は、WEB面ではなかったからです。課題は人事面や営業面にありました。
それではWEBマーケティング会社に依頼しても、結果が出るわけありませんよね。そこに問題がないのですから。
企業経営者の皆さんに知っておいていただきたいのは、
WEBマーケティングはマーケティング手法のひとつである
ということです。 企業経営のための調査・分析の手段は、WEBマーケティングだけではありません。
WEB面に課題を抱えているのであれば、WEBマーケティングを行ってください。
しかし、たとえば自然検索で自社サイトは上位表示される。アクセス数も高い。ECサイトの販売も好調……でも会社全体の業績は落ちている、ということであれば、それは他の部分に問題があるはずです。
確かにWEBマーケティングは今、最も需要が高く、結果を出している分野でしょう。
だからといって、その“流行”に乗り、何でもかんでもWEBマーケティングに求めるばかりでは、その費用が無駄となり、トラブルが発生しても仕方のないことです。
あくまで、WEBマーケティングはマーケティング手法のひとつです。
企業経営、そしてマーケティング活動の目的は、経営の成功に他なりません。
まずは自社の業績が改善されないのはなぜか、本当にWEBに問題があるのか、あるいは他のところに課題を抱えているのかどうかの見極めも重要なのです。
上記の事例を踏まえて、WEBマーケティング会社を選ぶ場合のポイントを考えてみると、次のことが言えるでしょう。
・サイト制作だけでなく調査・分析を行うことができる会社か
・WEBマーケティングにおいて多種多様な施策を行える会社か
・WEBマーケティング以外の施策も検討してくれる会社なのか
WEB制作会社だけではなく、SEO対策、リスティング広告、コンテンツ制作など、それぞれ専門業者は多数存在します。
必要なのは、本当にその施策が必要なのか。WEBマーケティングをどう企業戦略と結びつけるのか、というトータルで見て考えることではないでしょうか。
それは、企業経営者に求められていることでもあるのです。