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GICP流の働き方改革としての有給休暇

働き方改革 01

最近、毎日のようにメディアから聴く「働き方改革」のニュース。

 

大手広告代理店での過労死自殺やブラック企業での過酷な労働環境などが
メディアに取り上げられた
結果、
多くの企業で今、「働き方改革」について議論がなされています。

 

ただ、
経営者としての「働き方改革」と
従業員としての「働き方改革」とでは
見える世界が全く異なります。

 

多くの経営者は、

  • 会社の人件費効率の向上
  • 会社の業績改善
  • 労働分配率の改善
  • キャッシュフロー改善

などの経営課題に常に頭を悩ませていますし、

 

従業員は、

  • 労働環境の改善
  • 残業時間の低減
  • 職場でのパワハラ
  • 賃金アップ
  • 福利厚生の充実

などの改善を求めます。

働き方改革 03

そうした中で、どうやって折り合いをつけていくのかは、
会社の体力と、その会社の規模などによって異なるというのが定説だと言われています。

 

「もっと会社が大きくなったら労働環境を良くしよう」

「もっと売上が上がったら、残業を減らせるようにしよう」

「もっと従業員が増えたら有給を消化していいよ」

 

そういう経営者って多いのではないでしょうか。
私も、そうした経営者の一人でした。

 

そうした「働き方改革」のニュースを見ながら
ふと思ったのですが、

 

じゃあ、うちの会社って、いつになったら、
「働き方改革」
できるんだろう??

 

「大きくなったら、っていつだ?」

「うちの従業員は会社が大きくならないと、良い労働条件で働けないのか?」

「もっと売上が上がったら労働環境が良くなる? それって経営者の責任では?」

 

こうした「中小企業だから仕方ない」って考え方は、本当に正しいんだろうか。

 

もしかして、一生「働き方改革」なんて、できないんじゃないか。
そう思うと、なんだか「うちの会社ヤバイな」って思うようになりました。

 

中小企業だから労働環境が悪いのは当たり前・・・。これって、そもそも正しいのだろうか。

 

むしろ、労働環境が悪いから、うちの会社は、中小企業のままなのかな?
とも逆説的に考えもしました。

 

労働環境が悪い(中小企業だから仕方ない)=
会社の生産性が高い(過酷な労働条件が前提だから)=
会社が成長する

 

これ、本当なのかな??と思ったわけです。

働き方改革 02

待てよ、
もしかして、
労働環境をもっと良くしたら・・・

 

労働環境が良い=
優秀な人材が集まる&優秀な人材が長く勤めてくれる=
会社の生産性が高くなる=
会社が成長する=
もっと労働環境を良くできる=
もっと優秀な人材が集まる=
もっと会社の生産性が高くなる=
もっと会社が成長する=

・・・・・・・を繰り返せる。

 

ということじゃないかな、、、と、ふと思ったわけです。

 

というか、
そもそも、一度経営者という立場を超えて客観的に考えてみると
会社の生産性が最適化されていないのは、
従業員の能力のせいではなくて、会社、つまり社長のせいです。
(もちろん、その人材を獲得しているのも会社ですから)

 

  • ビジネスモデルの選択
  • マーケティング戦略
  • リソースの分配

 

これが最適に行われていないから、そのしわ寄せが従業員にきているんだとすると
「そもそも俺が悪いんじゃないか?」と思いました。

なら、まずは労働環境を変えようと考えたわけです。

 

いや、ものすごく葛藤はあります。

 

労働環境を良くしただけで、
従業員からすると「当たり前」としか思わなくて、
個々の生産性も変わらず、人件費率も上がり、
会社の業績も伸びなかったらどうしよう。。。。

そう思うわけです。めちゃくちゃ悩むし、めちゃくちゃ怖いです。

働き方改革 04

結構、自分の中でもどうするか、意見が何度も揺れました。
でも結論として、
会社の経営理念を改めて確認した時に答えが出ました。

 

うちの会社の経営理念の1つに

「世界で1番自由で楽しく働く事の出来る革新的な組織を作る」

というものがあります。

なぜこれを入れたかったというと、
自分がもともといた富士ゼロックス時代の影響が大きいです。

 

富士ゼロックスはもちろん売上1兆円を超える大企業で、
従業員が1万5000人くらいいて、
その中でも自分はグローバルサービスを担当する、会社の中では中心的な事業部で
働かせてもらっていたという前提があるんだけど、

有給休暇は全部消化するし、
フレックスで出社も全然OK、
福利厚生もめちゃめちゃたくさんあって
保養所も全国にあるし、
諸々の手当もいい。

でも、

みんな、めちゃめちゃ優秀でありながら、
勉強熱心で、会社と大学院を両立してるやつとか
有給休暇を使って語学留学行ったりするわけ。
社内公募で海外勤務や海外留学にどんどんチャレンジして、
自分の可能性を広げてる同期も多数いて、

それが、特別なことじゃなくて、
当たり前の「働き方」として、当たり前の「労働環境」として
考えていました。

 

自分はスーパー不真面目だったので、自己研鑽とかとは無縁で
趣味のバックパッカーで海外を巡る生活。
ひどい時には、最大21連休とって海外旅行に行っていました(驚)

 

そんな私の口癖は

「自分、やることやってるんで」
「成果出してるんで、文句ないっしょ」

って上司に悪態つく、くそ生意気な若手社員でした。

 

それでも、
「赤澤は生意気だなー」とか言いながらも、受け入れてくれた上司。
(今思うと神です。そんな時はそう思いもせず)

 

そうした環境が当たり前じゃない、と知ったのは転職してから。
1部上場の某会社でしたが、労働環境は、超ヤバかった。

今は当時と違うらしいですが、当時は

  • 給与安い
  • 休めない
  • 残業手当ゼロ
  • 徹夜するのは当たり前
  • 上司からパワハラ当たり前(私は受けてませんがデスクの周りの若手はすごかった)
  • それで成果出してる奴がカッコいい風潮
  • 成果を出せないやつは、人として扱われない
  • 成果出せないやつは、辞めていくし、
  • 成果出した人も、どんどん人が辞めてく
  • でも、体裁が大事なので、立地はめちゃくちゃ良い職場

 

このギャップは、まさに天国から地獄。
自分が天国に居たことを理解していなかった・・・転職して初めて、それを知りました。

 

その時に、自分が会社を起こした時には
富士ゼロックスのような会社にしたいという考えになりました。

だからこそ、この経営理念

「世界で1番自由で楽しく働く事の出来る革新的な組織を作る」

を入れました

これは単に、綺麗事というより、従業員全員が自由で楽しく働ける環境こそが
一人一人の可能性や能力を伸ばすことができる。
そしてそれが、会社の成長や発展に繋がるという
富士ゼロックス時代の体験からくる私の確信です。

働き方改革 05

話しは少し横道に逸れますが、
私がコンサルティング会社として独立したばかりの頃、
実績もない私とコンサルティング契約としてくれた、とある中小企業がありました。

そこの会社でご支援したのは、「会社の組織変革コンサルティング」でした。

会社の停滞した風土を変革して、従業員が自ら考え主体的に行動するような会社に変えていく、
という社内プロジェクトです。

実際に、私の経験として、過去に大手企業で
そうした組織変革コンサルティングの実績があったのですが、

とはいえ、独立したばかりの無名のコンサルタント。
とあるタイミングでその社長に聞きました。

 

「どうして独立して間もない私と契約したのですか?」

 

すると、その社長さんはこう答えてくれました。

 

「君は富士ゼロックスにいたよね? つまり超一流企業にいたわけだよね。
 そこで見たもの、感じたもの、体験したもの、というのは、日本の企業が無数にある中で
 企業としてあるべき姿、ありたい姿そのものなんだよ。

 

 中小企業は、大企業になりたいと思うけど、私は大企業で働いたこともなければ、
 そうした会社がどのような風土文化か、人事制度か、
 どうすればそうした会社になれるかも分からない。
 つまり、会社としてのゴールを実際には知らないんだよ。

 でも君は、会社として組織としてのあるべき姿、そのゴールを経験しているでしょ。
 つまり、会社としてのあるべき姿を知っているんだよ。
 その経験がある人は、会社を間違った方向にミスリードしたりしないと思う。
だから契約したんだよ。」

 

自分のキャリアをそのように捉えたことがなかったので、
その社長さんの答えを聞いて、非常に驚いたのを覚えています。

 

その時に、中小企業が目指す規模の拡大というのは、単なる売上の拡大だけではなく、
会社として大きくなることで、
そこで働く全従業員が、より有意義な人生を過ごす土台になる。そこまで引き上げること。
それが会社のあるべき姿なんだと、
我々がやっているコンサルティングが、
そこに繋がっているんだと考えさせられました。

 

話を戻しますが
GICPも「働き方改革」を
色々とやってきてはいるのですが、
今年度から、新たな改革を実行することにしました。

その改革とは何かと言うと

全社員(正社員・契約社員・パート・アルバイトも)
の有給休暇の消化率を100%にすること

を決めました。

 

多くの大企業からすると、「そんなん当たり前じゃん」って思うことかもしれませんが、
うちのように小さい会社からすると
全体の労働時間を数百時間レベルで削減することは、
業績にも大きく影響が出るかもしれません。

そう考えると大きなチャレンジなのですが、
まずは、自分の掲げた理想を通してみようと思います。

働き方改革 06

きっとGICPは従業員全員が、
さらに生産性の高い仕事をしてくれると信じて、私は「働き方改革」を進めていきます。

 

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