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PPM分析とは?経営資源の配分方法について解説

マーケティングでのPPM分析とは?経営資源の配分方法について解説
少ない資源で多くの利益を出すには「正確な投資配分」が欠かせません。要するにお金が造られるところに積極的な投資をして、そうでないところの投資を縮小するのが基本戦略だと言えます。
そこで活用すべきが「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」と呼ばれる分析フレームワークです。約50年前にボストン・コンサルティング・グループが提唱し、現在でも多くの企業が活用しています。
当記事ではそんなPPM分析の概要や、投資配分の方法について解説します。

PPM分析とは?

PPM分析とは?
PPM分析は「市場の成長率」と「市場での占有率(シェア)」という2つの軸から、事業や商品・サービスを分類し、正しい投資配分を考えるための分析フレームワークです。2つの軸で分類した事業や商品・サービスは、以下の4つのタイプに分けて投資配分を考えます。

  • Star(花形の事業や商品・サービス)
  • Cash Cow(高利益の事業や商品・サービス)
  • Problem Child(問題のある事業や商品・サービス)
  • Dog(負けの事業や商品・サービス)

4つのタイプの事業や商品・サービスは、それぞれ以下のような位置関係にあります。
PPM分析は成長率占有率(シェア)という軸から、事業や商品・サービスを分類

PPM分析のメリット

PPM分析を実施する最大のメリットは「正確な投資配分によって企業成長を促せる」ことです。経営資源は不要なところから必要なところへと、正しく配分することで高利益体質の企業に変化できます。
一方で、正確な投資配分ができている企業はそう多くありません。大半の企業は感覚だけで成長事業と衰退事業を判断しており、データによる根拠を持たないのです。だからこそ投資配分に苦慮し、失敗し、事業が追い込まれることになります。
PPM分析も完璧な分析フレームワークではありませんが、「市場の成長率」と「市場での占有率(シェア)」の2軸で事業や商品・サービスを分類し、少しでもデータに基づいた判断ができるようになります。
正しい投資配分ができるということは、成長事業だけでなく衰退事業を見極めて、事業の撤退時期を決める判断力も身に付きます。PPM分析は企業成長のために利益を生み出す投資配分を考えるだけでなく、赤字を膨らませない意思決定も行えるということです。

PPM分析で考える経営資源の配分方法

PPM分析で考える経営資源の配分方法
Star(花形の事業や商品・サービス)、Cash Cow(高利益の事業や商品・サービス)、Problem Child(問題のある事業や商品・サービス)、Dog(負けの事業や商品・サービス)、それぞれの経営資源の配分方法についてご紹介します。

Star(花形の事業や商品・サービス)

「市場の成長率」と「市場での占有率(シェア)」のどちらもが高いのがStarに分類される事業や商品・サービスです。企業の花形として利益の柱になる事業や商品・サービスですが、市場成長率が高いことに注意しなければいけません。
成長率の高い市場は競合企業が多く、デジタル革新などによるイノベーションが起きやすい市場です。代替品の開発も進み、価格競争が起きる可能性もあります。そのため多くの経営資源を継続して配分し、市場での優位性を保ち続けられるかが今後の成長を決めます。
ただし、花形だからといって必ずしも高利益とは限りません。投資と利益のバランスを考慮し、経営資源の配分率を考えましょう。

Cash Cow(高利益の事業や商品・サービス)

Cash Cowは「市場の成長性」は低いものの、「市場での占有率(シェア)」が高いので少ない経営資源で高い利益を確保できる事業や商品・サービスのことです。いわゆる寡占市場もこれに該当します。
この事業や商品・サービスに必要なのはより多くの投資ではなく、ここから生まれた利益をStarもしくはProblem Childへどう配分するかを考えることです。利益の源泉として企業成長を支える市場や・商品・サービスですが、市場成長性が低いためより多くの利益確保は見込めないのが現状です。
市場成長性の低い事業や商品・サービスだからといって、新しい風が吹かないわけではないので新興企業に注意してください。寡占市場かと思われていた市場で、デジタルディスラプション(デジタル技術を使ったイノベーション)が起きることもあります。

Problem Child(問題のある事業や商品・サービス)

「市場の成長率」は高いが「市場での占有率(シェア)」は低いProblem Childは、必ずしも撤退市場ではありません。市場成長性が高いということは、高いシェアを獲得できればStarに成長する可能性が十分にあります。
まさに問題児を更生させるような考え方で、事業や商品・サービスの問題、課題を整理し、プランを立てて更生を図っていきましょう。時には積極的な投資配分が必要なので、Starよりも力を入れることもあります。
市場成長性が高いということは、まだ成長しきっていないということ。そこには「法整備が追いついていない」など法規制などが絡んでいることもあるので、PEST分析を用いて将来性などをしっかり検討する必要があります。
PEST分析は、政治、経済、社会、技術といった4つの外部環境を整理する分析フレームワークです。

Dog(負けの事業や商品・サービス)

Dogは「市場の成長率」と「市場での占有率(シェア)」のどちらもが低いため、早期撤退が妥当と考えられる事業や商品・サービスのことです。
市場撤退の意思決定を遅らせるとそれだけ赤字が膨らむことになります。BtoB(対企業)ビジネスを展開する企業では「自社の商品・サービスをご利用いただいている企業様の迷惑になる」と考えて、市場撤退を遅らせるケースがあります。しかし、自社の利益が出なければ顧客への還元もできません。事業譲渡なども検討しながら、早期段階での撤退を考慮しましょう。

PPM分析で正しい経営資源の配分を

PPM分析で正しい経営資源の配分を
経営資源の配分について考える際は、必ずPPM分析を行いましょう。また、PPM分析も完璧ではないので、その他の分析フレームワークも併せて用いることをお勧めします。複数の分析フレームワークから根拠のある情報を導き出し、正しい経営資源の配分を目指しましょう。
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