ホテル・旅館の集客を高めるWebマーケティング術
2021/12/09(木)
施設内に読影医がいなくても、オンラインでリアルタイムに読影を依頼できることから利用者が拡大している遠隔読影。放射線診断専門医(読影医)不足などにより、これから遠隔読影サービスの利用を検討している医療機関も多いことでしょう。
しかし、遠隔読影サービスを比較するにあたり、どのように選んだら良いのかわからず後回しにしてしまっている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、遠隔読影サービスの特徴や利用時の注意点、費用相場などについて詳しく説明します。また、記事の後半では、おすすめの遠隔読影サービスを一覧形式でご紹介します。
これから遠隔読影サービスのご利用を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。
目次
遠隔読影とは、医療機関で撮影したMRI画像やCT画像を、オンラインで放射線診断専門医(読影医)のもとへ送り、画像診断を依頼できるサービスです。
従来、MRIやCTなどの画像データをすぐに診断するためには、施設内に放射線診断専門医がいる必要がありました。しかし、遠隔読影を利用すれば、施設内に専門医がいない医療機関でも、検査結果を迅速かつ正確に患者に提供できます。
MRIやCTなどの画像診断設備が院内にあるにもかかわらず、放射線診断専門医が常駐していない医療機関の場合、緊急時に対応が遅くなる可能性があります。その点、遠隔読影があれば、早期に病気の発見や治療が可能になり、大きな安心を得られるでしょう。
遠隔読影と院内読影の違いは、読影をおこなう放射線診断専門医が院内にいるか否かにあります。
院内読影の場合は、院内に専門医がいて、その場でMRI画像やCT画像をもとに診断をおこないます。一方、遠隔読影の場合は、画像データを外部に送信し、遠隔地にいる専門医が診断し、その結果をオンラインでやり取りします。
もちろん、院内に読影をおこなえる専門医が十分にいるのであれば、遠隔読影は必要ありません。しかし、人手不足や予算の兼ね合いなどで、院内に必要なだけの専門医を置けない事情がある場合、遠隔読影は非常にメリットの大きいサービスだといえるでしょう。
遠隔読影の特徴として、以下の4点が挙げられます。
それぞれの詳細について、順に確認していきましょう。
遠隔読影は、読影医不足を解消できる点が特徴的です。
日本は放射線医療の普及率が高く、MRIやCTなどの医療機器を備えた病院自体は、全国に多数あります。しかし、すべての病院にそのデータを読影できる放射線診断専門医(読影医)が在籍しているわけではありません。
放射線医療の現場では長らく人手不足が続いているため、MRIやCTなどの設備はあっても、それらを最大限に活用できない病院が多く存在します。遠隔読影を利用すれば、そのような放射線診断専門医が不足している病院でも、精度の高い読影が可能になるでしょう。
遠隔読影の特徴として、遠方でも適切な診断ができる点も重要です。
前述のように、日本では読影医の数が限られていて、人口の多い都市部の病院には放射線診断専門医が多く、地方には少ないという状況が生まれてしまっています。そのため、従来では近辺に放射線診断専門医がいない地域の場合、都市部と診断の速さや質に差が生じてしまいがちでした。
その点、遠隔読影を利用すれば、遠方地域でも遠隔で読影ができるため、都市部と遜色ない適切な診断を提供できるでしょう。
遠隔読影を利用することで、検査装置の稼働率向上も見込めます。
MRIやCTなどの検査装置があっても、読影可能な放射線診断専門医が在籍していないからと、検査をしていない病院が多くあります。その場合、遠隔読影を使えば専門医不在の問題は解消できるので、各機器の稼働率を高められるでしょう。
また、遠隔読影の利用によって近隣病院からの検査受け入れが増えることでも、検査装置の稼働率が向上するでしょう。
遠隔読影には、患者を待たせる時間が短くなる特徴もあります。
たとえば、夜間診療や休日診療で緊急にMRIやCTの検査をした場合、放射線診断専門医不在などの理由から、検査結果を出すまでに時間がかかってしまうことがあります。
その点、遠隔読影を使えば、外部の専門医に読影を委託できるため、患者を待たせずスムーズに検査をおこなえるでしょう。
また、遠隔読影では必要事項がレポートにまとめられて送られるので、医師の負担を軽減し、診療時間が短縮されることも期待できます。
遠隔読影にはポジティブな特徴がある一方で、いくつか注意点もあります。
ここでは、代表的な2種類の注意点について、詳細を確認していきましょう。
遠隔読影を利用するためには、諸々のコストがかかる点に注意が必要です。
まず、導入時に必要なイニシャルコストとして、読影用の画像を送受信するためのネットワークの構築や、データ管理システムの導入などの費用が挙げられます。
また、遠隔読影のサービス利用期間に応じて、ランニングコストが発生します。詳細はサービス提供企業によって異なりますが、毎月発生する基本料金に加えて、遠隔読影の件数に応じて読影料金がかかるのが一般的です。
もちろん、一定のコストをかけた対価として多くのメリットを得られるため、遠隔読影を利用する価値は高いといえるでしょう。
遠隔読影は、画像診断管理加算の算定ができない点にも注意しましょう。
画像診断管理加算の算定とは、放射線診断を実施する病院の経済的負担を軽減するために設けられた、診療報酬の加算制度です。
画像診断管理加算の算定をするためには、病院内に常勤の放射線専門医が1名以上いる当該保険医療機関以外の施設に読影又は診断を委託していないことが条件になります。そのため、放射線専門医が在籍していない状態で遠隔読影サービスを利用すると、画像診断管理加算の算定ができないことになります。
ただ、厚生局へ遠隔画像診断施設基準の届出を済ませている病院間での遠隔画像診断の場合は、所定の条件を満たすことで、画像診断管理加算の算定が可能です。しかし、画像診断管理加算が請求できると謳う企業の中には、不適切な形でサービスを提供している場合があり、不正請求になる可能性もあるため注意が必要です。
画像診断管理加算の算定を重視するかどうかは、各病院のニーズによって異なるので、メリット・デメリットを比較検討したうえで選ぶようにしましょう。
遠隔読影を利用する際の費用は、大きく以下の3点に分けられます。
イニシャルコストとしては、ネットワーク構築等に伴う導入費用と、サービス利用開始に伴う月額基本料金がかかってきます。ただ、既に十分なネットワークが構築されている場合は、遠隔読影に既存ネットワークを利用することで、費用が相場より安くなることもあります。
また、ランニングコストとして、月々の基本料金に加え、読影の件数に応じて読影料金が加算されるのが一般的です。ただ、業者によっては読影料金を基本料金に含めていたり、読影件数に応じて割引を設けていたりするケースもあります。
遠隔読影にかかる費用は、業者によって金額が大きく変わるので、数社から見積もりを取って比較すると良いでしょう。
ここからは、遠隔読影を実施しているおすすめのサービス会社を一覧でご紹介します。
これから遠隔読影の利用を検討しているご担当者の方は、ぜひ参考になさってください。
画像出典:株式会社イリモトメディカルHP
「株式会社イリモトメディカル」は、最新のITテクノロジーやAI技術を駆使し、高品質・低価格の遠隔読影サービスを提供しています。
株式会社イリモトメディカルでは、薬事承認済みの高精度AIを採用しているため、高い検出精度が得られ、従来AIのような偽陽性の反応が最小限に抑えられています。そのため、無駄な精密検査の回数を減らせ、医師と患者双方の負担を大きく軽減できます。
また、株式会社イリモトメディカルでは、放射線診断専門医をはじめとする、各診療領域の専門医のみを30名以上採用しています。そのため、高精度AIの力を最大限活用し、スピーディで正確な遠隔読影を実現しています。
画像出典:株式会社iMedical HP
「株式会社iMedical」は、有能な放射線診断専門医のネットワークを駆使した遠隔読影を強みとしています。
遠隔読影のシステムには、情報セキュリティ性に優れたPSPや医知悟を使用しているため、万一の情報漏えいリスクが最小化され、安心してサービスを利用できます。
冠動脈CTや超音波なども含め、利用施設の状況に応じて幅広いメニューが選べるので、ニーズに合った遠隔読影を利用できるでしょう。
画像出典:株式会社イー・メディカルソリューションズ
「株式会社イー・メディカルソリューションズ」の実施する遠隔読影は、近年注目を集めている大腸CTC(CT Colonography)にも対応している点が特徴的です。
使用している遠隔読影システムには、VPN専用線を活用しているため、高いセキュリティ性が確保されています。
また、緊急で必要とされる遠隔読影にもフレキシブルな対応ができるため、診療に伴う医師の負担を軽減できるでしょう。
画像出典:株式会社エムネス HP
「株式会社エムネス」は、クラウド型の医療情報管理共有システム「LOOKREC」を活用した遠隔読影に特徴があります。
DICOMデータをクラウド上で自由に共有することで、遠隔読影を正確かつスムーズにし、アナログ業務に伴うヒューマンエラーを最小化します。
また、細胞診や組織診、迅速病理診断に至るまで、さまざまな病理診断にも対応している点も大きな強みになっています。
画像出典:株式会社 SEM medical solution HP
「株式会社 SEM medical solution」は、東京を拠点とし、日本全国、そして海外の医療機関も含めて、幅広い地域で遠隔読影サービスを実施しています。
株式会社 SEM medical solutionの遠隔読影は、すべて放射線診断専門医がおこなうので、質の高い読影報告書を提供してもらえます。
遠隔読影の完了後は、アラートでのお知らせ機能や、報告書の自動印刷機能が利用できるため、電子カルテやPACSとの速やかな連携も実現可能です。
画像出典:株式会社ドクターネット HP
「株式会社ドクターネット」は、1995年設立と、業界のパイオニア的存在として遠隔読影を実施している企業です。
MRIやCTの遠隔読影をおこなう「Tele-RAD」、健診・検診に伴う遠隔読影に特化した「Tele-DOC」など、ニーズに合わせて複数のサービスが展開されています。
万一遠隔読影のレポートに疑義が生じたり、追加読影の必要が生まれたりした際も、無償で再度遠隔読影が可能なので、安心してサービスを利用できるでしょう。
画像出典:株式会社ネットホスピタル HP
「株式会社ネットホスピタル」の実施する遠隔読影は、経験豊かな130名以上の専門医による、ニーズに応じたサービスプランに特徴があります。
依頼端末を設置して遠隔読影をおこなう「標準読影サービス」は、読影件数が多く、長期的に依頼したい場合に重宝するプランです。
一方、読影件数が月によって変動する場合は、施設保有のPCで必要な都度依頼する「ワンタイム読影サービス」を利用すれば、固定費を抑えた運用ができるでしょう。
画像出典:ホスピネット HP
セコム医療システム株式会社が提供する「ホスピネット」は、日本初の商用遠隔画像診断サービスとして、1994年から遠隔読影を実施しています。
ホスピネットでは、読影レポートなどのサービスに加え、撮影方法の相談や、放射線診断専門医への電話相談などができる点が特徴的です。
もちろん、遠隔読影のクオリティも高く、専門医が多数在籍しているので、多種多様な検査に対応できます。
画像引用:株式会社radioplat HP
「株式会社radioplat」は、MRIやCTだけでなく、眼底検査や心臓CT、PET-CTやAI(死亡時画像診断)など、さまざまな遠隔読影ができる点が強みです。
1検査1料金の分かりやすい料金体系で、複数のシステムにも対応しているため、ニーズに応じて最適なシステムを提案してもらえます。
再読影依頼についても、追加料金不要で対応してもらえるので、費用対効果の高いサービスを受けられるでしょう。
画像出典:株式会社ワイズ・リーディング HP
「株式会社ワイズ・リーディング」は、経験豊富な放射線医がおこなうう遠隔読影によって、安心の医療サポートを実現してくれます。
独自のクラウドサービス「Y’s REPORT CLOUD」を使うことで、急な依頼であっても高品質な報告書をクラウドで提供してもらえます。
また、営業時間内は常時サポートスタッフがモニタリングをしているので、電話やチャットにおいて、迅速なサポートをしてもらえるでしょう。
今回は、遠隔読影サービスの費用や特徴、注意点などを踏まえたうえで、おすすめの遠隔読影サービスをご紹介してきました。
遠隔読影サービスを利用することで、放射線診断専門医が在籍していない病院でも、迅速かつ正確な検査結果を出せるようになります。
今回ご紹介したことを参考にして、貴院のニーズに合った遠隔読影サービスを選び、より高品質の医療を実現させましょう。