マーケティングファネルとは
2021/08/04(水)
マーケティングに関わっている方、興味を持っている方なら一度は「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」を耳にしたことがあると思います。
新しいマーケティングの手法や用語のように思えますが、実際は1960年代から存在します。
今回はUSPとは何か?ビジネスにどう活用すべきか?など、USPの基本をわかりやすく解説していきます。
目次
USPとは「自社の製品やサービスが持つ独自性や強みを最大限活かして販売提案を行う」というマーケティングの考え方です。
最初に提唱されたのは1961年、ロッサー・リーブスという人物の著書『USP ユニーク・セリング・プロポジション 売上に直結させる絶対不変の法則』です。
ロッサー・リーブスは著書の中でUSPを次のように定義しています。
要するにUSPとは「独自性の強い広告」のことです。
テレビCMや新聞広告、Web広告だけでなく製品やサービスのキャッチフレーズも含めてUSPだと言って良いでしょう。
USPについて理解していただくために、USPについての代表的な事例をご紹介します。
まずご紹介したいのがパソコンなどのコアプロセッサで有名なIntelのUSPです。
このUSP自体は購買意欲を掻き立てるようなものではありません。
そもそも、Intelの製品は「購入したパソコン等に入っていた」というのが一般的かと思います。
しかし、大半のパソコンのコアプロセッサとして採用されているIntelだからこそ使用できるUSPであり、消費者に対して「パソコンには当たり前のようにIntelが入っている」と印象付けられます。
これにより「良いパソコンはIntelが採用されている」という刷り込みを図ることができます。
このUSPはAppleが初代iPodをリリースするにあたり、スティーブ・ジョブズがプレゼン内で語った言葉でもあります。
このプレゼンは現在でもYouTubeで視聴できるので、英語ですがぜひそのフレーズ部分だけでも観てみてください。
「1,000曲をポケットに」というUSPは、単純であり、明快であり、何よりインパクトがあります。
現在でこそ数万曲をポケットに持ち歩けるのが当たり前ですが、当時としては非常に画期的なことでした。
それを単純明快に表現し、かつここまでインパクトを持たせたUSPは、素晴らしいという表現以外ありません。
当時、このUSPを見聞きして思わずiPadを購入したという方も多かったでしょう。
多くの企業によって様々なUSPが考案され、世に出されています。
しかし中にはUSPと呼べないものもあり、USPを活用したいと考えている企業としてはUSPに該当しない提案も頭に入れておく必要があります。
それは、次のような要素を含んだものです。
これらの要素を含んだものは消費者にとって魅力的であり、行動を促す力があります。
しかし前述のUSPの定義に照らし合わせて考えれば、USPに該当しないのは明白です。
独自性が強く、多くの消費者を惹きつけるものでなければUSPとは呼べないのです。
USPを考案したとして、企業はどのようにしてUSPを活用していけば良いのでしょうか?
USPを上手く活用するための方法をいくつかご紹介します。
USP活用において、USPを過度に変更することはNGです。
USPを度々変更してしまうと、市場に対して一向に浸透しないためUSPとしての意義を失います。
「打ち出したUSPに効果がないように感じる」としても、訴求し続けることで価値が増すこともあります。
それはまるで、さほど面白くもないギャグをやり続けたことで認知度を高めた芸人のようなものです。
ただし、打ち出すUSPを確定する前には入念な調査や分析を行うようにしましょう。
USPを単なる広告用のキャッチフレーズとして考えるのではなく、新しい製品やサービスの開発を行うために活用する方法もあります。
例えばインテリア家具を販売するニトリは「お、ねだん以上。」というUSPを長年発信しています。
このUSPをもとに企画開発などを実施することで、常に消費者が求める製品開発に成功していると言えるでしょう。
USPはタイミングが命です。
あなたが新規ビジネスを展開し、それが業界初の試みだとしたら早々にUSPを考案し、打ち出しましょう。
なぜなら、あなたの企業が先進事例だとしても後発企業が強力なUSPを打ち出せば、その市場でのリーダーはあなたの企業ではなくなるからです。
従ってUSPを考案したら可能な限り素早く打ち出す必要があります。
競争の激しいビジネス環境を生き抜くには、製品やサービス自体に独自性を持たせることが非常に重要です。
しかし、それは簡単なことではなく、むしろ類似した製品やサービスがひしめく市場の中でどう勝ち残るかを考える必要があります。
この時、USPが強力な武器になることは言うまでもありません。
類似製品、類似サービスが多い中でもちょっとした独自性を見つけて、それを大きく、断定的に打ち出すことで消費者の意識を惹きつけることができます。
資本力に劣る中小企業こそ明確なUSPを確立し、大企業との差別化を図るべきです。
この機会にぜひ、自社のUSPを考案してみてください。