マーケティングファネルとは
2021/08/04(水)
「ブランディング」という言葉は知っていても、その意味や効果まで知っている方は少ないかもしれません。物が溢れる現代、商品やサービスの提供でブランディングは大切な役割を果たします。知らないままでは、いつのまにか競合と大きな差がついてしまうでしょう。
今回は、ブランディングについてわかりやすく解説します。ブランディングの意味や必要な理由、効果を知り、これからのビジネス戦略に取り入れていきましょう。
目次
ブランディングとは「ブランドを形成するための活動」及び「ブランドを世間に認知させる活動」です。
まず「ブランド」という言葉から理解していきましょう。ブランドとは、企業・商品・サービスを識別するための呼称やマーク、キャッチフレーズのことです。
皆さんは「自動車メーカーといえば?」と質問されて何を思い浮かべますか。トヨタ自動車やホンダなどの国内メーカー、あるいはベンツやアウディなど海外メーカーの名称を思い浮かべる人もいるでしょう。それと同時に各社のブランドシンボルや代表的なモデルも思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。そのような想起した一連のものこそブランドです。
ブランディングは、ブランドを形成し世間に認知させる活動を指します。
ブランディングが必要とされる理由は「あらゆる面でビジネスを有利に進められるようになるから」です。ブランディングを実施するとビジネスをもっと効率的にし、さらに成長を加速させます。
「自動車メーカーといえば?」と質問されてトヨタ自動車を思い浮かべるのは、少なからずトヨタ自動車に良い印象を抱いているからです。その時点でほかの自動車メーカーよりも優位性を持っていることになります。ブランドが確立されていれば製品・サービスはより売れやすく、企業はより良い印象を持たれやすくなります。
ブランディングへ取り組むにあたり、知っていただきたいのは期待できる効果です。簡単な活動ではありませんが、以下に挙げる5つの効果を知ればきっとブランディングに取り組みたくなるでしょう。
物が溢れる時代、多くの市場が飽和状態にあります。たとえばスマートフォン市場にはたくさんのメーカー・ブランドが存在します。性能も(少なくとも素人目には)似たり寄ったりで、どれかが大きく抜きん出ていることはありません。しかし、日本国内においてiPhoneは圧倒的なシェアを誇っています。なんとスマホフーザー全体の56.75%をiPhoneユーザーが占めているのです。
出典:webrage「スマートフォン・シェアランキングTOP10(2021年7月10日更新時)」
これはiPhoneの販売元であるApple社が日本国内におけるブランドの確立に成功しているからです。ブランド力が高いほど価格競争などから脱却し、確固たるシェアを獲得できます。飽和状態の市場にあってもブランドを確立できれば、価格競争を逃れて独自の価格帯で勝負できるのです。
iPhoneを好む人はAppleというメーカーのファンにもなる可能性が高く、そうなればApple製品の周辺機器を購入する可能性も高くなります。ブランドが確立されるとファン層が形成されて、特別な努力をしなくても製品・サービスを売るための基盤が整います。
もちろんファン層を維持するには継続的なブランディングが必要です。しかしそれは、新規顧客を獲得するよりもずっと楽な戦略でしょう。マーケティング業界でよく言われる一説では「既存顧客を維持するコストは新規客を獲得するコストの5分の1で済む」と言われています。
皆さんはどういったブランドのファンでしょうか?自身がファンであるブランドの製品・サービスのことを考えてみてください。ファンといっても全てに満足しているわけではなく、「こうするともっと良いのになぁ」という意見があるはずです。
ブランドが確立されている場合とされていない場合の違いは、「確立している方がファンからのフィードバックを得やすい」ということ。自分が好きな製品・サービスには貢献したくなりますが、思い入れの小さい製品・サービスへの貢献はあまり考えません。
ブランドが確立されている方がファンからのフィードバックを得やすく、それを参考に改善に取り組むとより良い製品・サービスに改良しやすくなります。
ブランディングの効果は組織の内側にも現れます。高いブランド力を持っている企業の従業員は、仕事に対するモチベーションが高い傾向にあり、それがより良いビジネスへとつながっていきます。
対してブランディングに取り組んでいない企業でも、企業ロゴを今風にしてみたり、普段活用しているITツールを企業カラーにしてみたり、社内向けのブランディングに取り組んでみてください。それだけで従業員のモチベーションは変わるはずです。
今では、従業員のモチベーションアップを目的とした「インナーブランディング」という取り組みさえあります。
ブランドが確立されていれば優秀な人材が集まりやすくなります。トヨタ自動車やスターバックスコーヒーなど、初めから一流ブランドを目指す必要はありません。できることからコツコツと積み上げ、少しずつブランドの価値を高めていきましょう。
ブランド力がゼロから1に上がるだけでも、世間の見方は変わります。そうすれば採用活動はずっと楽になり、より効率的に求める人材を確保できるでしょう。
日本は中小企業大国であり、大企業よりも高い技術、深い知識を持った中小企業がたくさん存在します。そうした企業のブランド力が弱いのは、ブランディングの方法を知らないだけです。
ブランディングに取り組むと「大きく化ける」可能性を秘めています。「ブランド力なんて考えてもいなかった」という企業ほど、ぜひともブランディングに取り組んでみてください。