マーケティングファネルとは
2021/08/04(水)
Webマーケティングを成功させるには、様々な視点から情報を分析する必要があります。そのためのフレームワーク(枠組み)の1つが「3C分析」です。Webマーケティングでは基本中の基本であり、自社のビジネスを取り巻く情報を整理するのに役立ちます。
今回はそんな3C分析とは何か?どうやって分析するのか?を、わかりやすく解説します。ぜひ、日頃のマーケティング活動へ取り入れてみてください。
3C分析の「3C」は、以下3つの言葉の頭文字を取ったものです。
- Customer(顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
3C分析を提唱したのは経営コンサルタントとして著名な大前研一氏であり、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社代表時代に発刊した『ストラテジック・マインド』にて紹介されています。
3C分析はCustomerとCompetitorという2つの外部要因、Companyという内部要因に分けて情報を整理しながらビジネス課題の発見や戦略立案に活用するためのフレームワークです。
3C分析はまず、2つの外部要因と1つの内部要因に分けて情報を整理するところから始まります。
Customerが意味する顧客は、1人の消費者や1社の市場を示すのではなく「市場」という大局的な視点で見た場合の顧客です。
従って市場規模や市場が抱えるニーズ、消費者・企業全体の購買行動などの情報を整理します。
この時に有効なのが「PEST分析」や「ファイブフォース分析」といったフレームワークです。
関連フレームワーク | 詳細 |
PEST分析 | Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)という4つの視点から外部環境を整理する |
ファイブフォース分析 | 既存プレイヤーの脅威、新規プレイヤーの脅威、代替品の脅威、買い手(顧客)の交渉力、売り手(サプライヤー)の交渉力で競合の存在や脅威度などを整理する |
いくつかのフレームワークを併用してCustomer(顧客・市場)の情報を整理すると、多面的に分析できます。
特定の相手が見えないWeb上でのマーケティングでは、ターゲット顧客を深く理解することや、市場全体のトレンドとニーズを察知することがとても大切になります。
Competitorにおける競合とは、市場に存在する既存プレイヤーだけでなく今後参入する可能性の高い潜在的なプレイヤーも含みます。
この時に有効なのが「SWOT分析」というフレームワークです。
関連フレームワーク | 詳細 |
SWOT分析 | Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの軸から自社の情報や競合の情報を整理する |
このフレームワークに加えて、売上高や営業利益率、市場シェアなどの情報も整理するとより深いCompetitor(競合)分析が可能です。
競合を正しく分析すると、新たな機会(ビジネスチャンス)の発見や、市場内シェア率の低下等のリスクを低減することに繋がります。Webマーケティングを推進する際にも、競合分析を行うことは必須です。
現状のマーケティング戦略、経営戦略、強みや弱みなど自社に関連する情報を洗いざらい整理していきます。その時に役立つのが前述のSWOT分析や「マーケティングの4P」などのフレームワークです。
マーケティングの4Pについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:マーケティングの4Pとは?Web集客での活用法もご紹介
Company(自社)分析の大きな目的は「競合優位性の明確化」です。2つの外部要因と1つの内部要因を分析しながら、自社が市場で勝ち残るために必要な競合優位性を見つけ出し、マーケティング戦略や経営戦略、商品開発などに反映させることが大切なポイントになります。
3C分析の活用事例として、ディズニーリゾート運営で知られる株式会社オリエンタルランドの事例をご紹介します。
まずは、オリエンタルランドを取り巻く外部要因と内部要因をまとめてみました。
3C分析 | オリエンタルランドの情報 | |
外部要因 | Customer |
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Competitor |
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内部要因 | Company |
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オリエンタルランドはコロナ禍の影響は受けつつも、顧客基盤が安定していることや目立った競合が少ないことから、今後もコンセプトを全面に押し出したテーマパーク運営によって市場の景気回復と共に業績は回復していくものと考えられます。
ただし、ニューノーマルといった概念に表されるように、今後の競合相手はテーマパークに限定されなくなるでしょう。
そのような外部環境のもと、今後の成長戦略に向けて積極策をとっています。
コロナ禍において営業が縮小傾向にある状況を逆手に取り、新エリアや新アトラクション等ハード面への精力的な投資を行っています。
あれほど大規模な施設になるとハード面の刷新は簡単ではないことは想像に容易いですが、現在の経営環境をポジティブな方向に転換して積極策をとっています。中小企業であっても3C分析による徹底した環境分析を行うことで、このような有意義な戦略策定に繋がる可能性が多いにあります。
3C分析を実施すると改めて自社の立ち位置を再認識することができ、現在のマーケティング戦略や経営戦略が正解か不正解かを見極めることができます。
マーケティングにおいては基本中の基本なので、まだ3C分析を実施したことがないという企業は、この機会にぜひ外部環境と内部環境を整理し、自社の競合優位性や基本戦略について考えてみましょう。