Webマーケティング戦略で使えるSimilarWebとは?使い方について解説
2021/11/18(木)
デジタルマーケティングに興味をお持ちの方なら、「MA(マーケティングオートメーション)」という言葉を耳にしたことがあると思います。「何やらマーケティングを自動化できるらしい」と、MAの概要をどこかで見聞きしたのではないでしょうか?
文字通りMAは「マーケティングを自動化するツール」です。しかし、そう単純なものではないので、今回はMAの概要や備えている機能などについて解説します。
目次
まず、「MAは何のためのツールか?」をお話します。当然マーケティングのためのツールではありますが、マーケティングといってもやるべきことはたくさんあります。その中でMAが自動化できるのは「リード(見込み客)の管理」です。これは、コンテンツマーケティングや営業プロセス改善に取り組む際には重要な点です。
従来のマーケティングでリードを管理する場合、小規模ならエクセルや専用のソフトウェア、中大規模ならCRM(顧客管理システム)を使用して管理していました。しかしそれらのツールはあくまで「リードの情報を管理すること」が仕事です。マーケティング施策との連携までは考慮されていません(ただし、最近ではマーケティング機能を備えたCRMもあります)。
そこで登場するのがMAです。MAにはリード情報を管理するためのデータベースが備わっており、様々な情報を管理できます。さらに各種機能と連携することで一部のマーケティング業務を自動化することが可能となります。
リードの育成を「ナーチャリング」と呼びます。具体的にはリードごとのニーズを把握しながら適切な手段で有益な情報を届け、自社の商品やサービスへの注意を引くのです。主な手段はメールです。
しかし単なるメールの送信ではなく、リードの行動に合わせて都度適切な内容を設定して配信します。MAはこれを自動化してくれるというわけです。するとリードの注意を引くことも、自社の商品やサービスに対する購買意欲を醸成することも効率化が図れます。
これこそ、MAが「マーケティングオートメーション(マーケティングの自動化)」と呼ばれている所以です。
では、MAには実際どのような機能が備わっているのでしょうか?主要な5つの機能について解説します。
MAの中核機能です。前述の通り、MAはリード情報を管理しながらリードの行動に合わせてメールを送信したり、クーポンを配信したりもできます。ただし、リード管理はそれだけの機能ではありません。
リードナーチャリングを通じて購買意欲が醸成したであろうリードを自動的に抽出し、それをマーケターに知らせてくれます。これを実現するのに欠かせないのが、次の「スコアリング」と呼ばれる機能です。
MAは、スコアリングができます。文字通り「スコアを付ける機能」です。何にスコアを付けるのか?答えはリードです。正確にはリードの行動ごとにスコアを増減して、マーケターが設定したスコアに達したリードを自動的に抽出してくれます。
一定のスコアに達したリードは「案件化可能」と判断され、営業担当者に引き渡されます。そうして確度の高い案件を次々と引き渡し、営業担当者が受注へとつなげていくわけです。
ビジネス向けサイトにて、資料ダウンロードや問い合わせなどを行うのに情報入力を求めるページを見たことはないでしょうか?あれが「フォーム」です。MAにはフォーム作成機能が備わっています。
MAで作成したフォームから情報が送信されると、MAへ自動的にリードとして管理されます。Webサイト内におけるその後の行動も記録され、リードが何に興味・関心を示しているかが明らかになります。
テキストメール、HTMLメール、記事、ランディングページなどMAではあらゆるコンテンツを作成できます。さらに、配信した二つのコンテンツのうちリードが良い反応を示したコンテンツを把握するA/Bテスト機能を備えたMAもあります。
ランディングページにはコーディング(コードを書いて装飾すること)が必要ですが、MAではコーディング不要なのでマーケターでも素早くランディングページを作成し、素早くマーケティング施策へ取り込めます。
コンテンツマーケティングではMAツールで作成するメールコンテンツ等を活用することで効率的に成果に結びつけることが可能なため、コンテンツマーケティングに取り組む企業はぜひ活用したいところです。
関連記事:コンテンツマーケティングとは?初心者でも分かりやすく徹底解説
単にメールを一斉送信するのではなく、リードのセグメント(属性情報などで分類したグループ)を選んで送信したり、リードの行動に応じて送信したりできます。また、メールキャンペーン機能が備わったMAならメールの開封率やリンクのクリック率も把握可能です。
メール配信はいまでも有用なマーケティングツールであり、MAならメール配信を細かく管理して今までにないマーケティングを実施できます。
マーケティング活動においてMAツールの必要性が高まっている理由は、「消費者・企業の購買行動が大きく変化したから」です。
インターネットの誕生は、世界の情報のあり方を激変させました。あらゆる情報が流通し、消費者・企業は新しいテレビCMの放映や営業担当者の来訪を待たずとも、欲しい情報がいつでも手に入る時代です。
悩み事があればそれを解決する商品やサービスを検索し、同業他社と比較したりクチコミをチェックすることで、検討します。そのプロセスの多くはオンラインで実施されており、旧来の購買行動からは大きく変化しています。
その変化を示す情報が、世界中で愛読されているビジネス誌のダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューに投稿されたことがあります。以下はその原文と、弊社の翻訳文です。
more than 1,400 B2B customers found that those customers completed, on average, nearly 60% of a typical purchasing decision―researching solutions, ranking options, setting requirements, benchmarking pricing, and so on―before even having a conversation with a supplier.
和訳:1,400以上のBtoB顧客が、一般的な購入意思決定(解決法の調査、商品のランク付け、要件の設定、価格の評価)の60%近くをサプライヤーとコンタクトを取る以前に完了していることを発見しました。
出典: ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー「The End of Solution Sales」(邦訳:「ソリューション営業は終わった」)
MAはこうした時代において、消費者・企業の購入プロセスに入り込み、自社の商品やサービスへの注意を引きつけ、購買意欲を醸成するために欠かせないツールです。また、各リードのニーズに沿ってカスタマイズされたマーケティング(One to Oneマーケティング)の実現も担っています。
最後に注意点を一つ。MAはマーケティングの自動化を実現するツールであり、リードの管理などを効率化できますが、マーケティングを推進するのはあくまで経営者やマーケターです。MAを導入すればマーケティングが自動化されて何もかも上手くいくわけではないため、自社のビジネスの課題を踏まえながら上手に活用することが大切です。
MAを導入する際はその意識を念頭に、MAのメリットを最大限引き出していきましょう。