ビジネスチャットとは?中小企業こそ利用すべき理由
2021/11/08(月)
医療のDX化やIT化が進むなか、遠隔読影サービスの市場規模も拡大し、幅広い医療機関で活用されるようになりました。しかし、実際に遠隔読影サービスを導入したいと思っても「どの会社を選べば良いのだろうか」と迷う方もいるのではないでしょうか。
遠隔読影サービスを選ぶ際には、各会社のサービスを比較し、自院に合った内容を選択する必要があります。
この記事では、遠隔読影サービスを提供する会社一覧のほか、費用の相場や比較基準についても解説していきます。遠隔読影サービスの導入を検討している医療機関の方は、ぜひ参考にしてみてください。
遠隔読影は、撮影したCTやMRIなどの画像を、インターネット経由で外部の企業や病院に送信することで、読影を依頼できるサービスです。この仕組みにより、読影医が不足している医療機関でも、高度な画像診断を数多く対応することが可能になります。
特に、読影に十分な時間を割くことがむずかしかったり、健診などで読影業務が多かったりするクリニックや病院とって、遠隔読影サービスは有効な解決策になり得ます。放射線診断専門医による読影レポートを受け取れることで、診断の精度や医療サービスの質の向上が期待できるでしょう。
遠隔読影サービスでは、読影業務を外部の放射線診断専門医などに依頼できるだけでなく、作成された画像診断レポートも受け取れます。依頼元の医療機関では、返送された画像診断レポートを参考に、医師が診断や治療方針を決定できるのです。
遠隔読影サービスにより、地域における医療格差の解消や医療の質の向上、診断の迅速化が期待できるのがメリットです。さらに、医療機関における読影医不足の解消、画像検査機器の稼働率の向上、診療時間の短縮なども得られる可能性が高まります。
特に、医療資源が不足している地域や小規模の医療機関にとって、遠隔読影サービスは医療サービスの質を向上したり、人材不足を解消したりするための重要なツールとなり得ます。
遠隔読影サービスの費用相場は、初期費用で5万〜20万円、月額費用で3万〜8万円ほどです。初期費用は、電子カルテとの連携や、複数台の機器へのシステム導入などをすると、数十万〜数百万円ほど追加される場合もあります。
読影費用は1件あたり500〜3,500円です。それに加え、部位加算として特定部位の読影に1,000〜3,000円が加算されることがあります。さらに、スライス加算として一定のスライス数を超えた場合に追加料金が発生するケースもあります。
これらの費用は医療機関のニーズや利用頻度などによって変動するため、導入前に詳細な見積もりを確認することが重要です。
遠隔読影サービスを選ぶときは、以下のポイントに着目しましょう。
それぞれ解説していきます。
遠隔読影サービスを選ぶ際は、放射線診断専門医だけでなく、読影を依頼したい診療科の専門医がいるかも確認するようおすすめします。また、放射線診断専門医の人数は読影レポートの返送時間に影響を与える可能性があるため、この点も確認しておくと良いでしょう。
依頼したい検査内容がサービス内容に含まれているか必ず確認しましょう。X線やCT、MRIは多くの会社で対応していますが、それ以外の検査は会社によって大きく異なります。医療機関のニーズに合った検査内容を提供している遠隔読影サービスを選択することが重要です。
読影レポートが返送されるまでの時間は、診療体制に大きく影響します。一般的には依頼した翌日〜数日で返送されることが多いですが、オプションを利用すれば数時間で返送してもらえる会社もあります。医療機関の診療スケジュールに併せて遠隔読影サービスを選びましょう。
総合病院や大学病院、入院対応をしている医療機関では、土日祝や夜間の読影が必要になることがあります。24時間体制で対応可能な遠隔読影サービスもあるため、必要に応じて確認することが重要です。
遠隔読影サービスを選ぶときは、緊急時のサポート体制が整っているかを確認することが重要です。たとえば、システムやネットワークに突然の不具合が発生した場合、診療や健診結果の報告などに遅れが生じる可能性があります。このような事態が発生したときのために、必要に応じて夜間を含めたサポート体制についても確認しておくべきでしょう。
遠隔読影サービスでは患者の個人情報を扱うため、セキュリティ対策が欠かせません。ISMSやプライバシーマークを取得している会社を選ぶことで、高いセキュリティ水準が期待できます。また、データの暗号化やセキュアなデータセンターの利用など、具体的なセキュリティ対策の内容を確認することも大切です。
病変の見落としを防ぐために、読影作業や読影レポートのダブルチェックやトリプルチェックなどの対策を取っている遠隔読影サービスもあります。信頼性の高い診断結果を得るためにも、このような品質管理体制を確認することが重要です。
遠隔読影サービスを提供する15社の会社一覧を紹介します。どのサービスを導入しようか迷っている医療機関の方は、ぜひ参考にしてみてください。
※2025年3月時点の情報です
※詳細は各ホームページを確認、もしくは各会社にお問い合わせください
画像引用:株式会社イリモトメディカル
株式会社イリモトメディカルの遠隔読影サービスは、放射線診断専門医をはじめとした各診療領域の専門医が常駐しているほか、薬事承認済みの高精度AIを活用した二重読影によって見落としを徹底的に防止しています。シングル読影は2営業日以内、ダブル読影は3営業日以内とスピーディーな納品が可能であることも魅力です。
【読影内容】CT、MRI、胃部造影、胸部X腺、マンモグラフィ、肺がん検診のCT、脳ドックのMRI、超音波、眼底、心電図など
【HP】https://irimotomedical.co.jp
画像引用:STERS
夜間救急遠隔即時コンサルテーションを実施しているSTERSは、夜間救急時の画像読影を海外に在住している読影医に委託できるのが特徴です。準夜帯も国内の放射線診断専門医が対応し、誤診や見落としのリスク軽減に努めています。
【読影内容】お問い合わせください
【HP】https://www.viewsend-ict.co.jp
画像引用:ViewSend ICT
ViewSend ICTは、医療用画像管理システムのPACSを開発し、遠隔医療にも力を入れている会社です。遠隔読影サービスでは、読影医と撮影方法などの相談をすることも可能となっています。
【読影内容】CT、MRIなど
【HP】https://www.viewsend-ict.co.jp
画像引用:イー・メディカルソリューションズ
イー・メディカルソリューションズの遠隔読影サービスは、診療だけでなく健康診断の読影にも特化しています。経験豊富な読影医が対応するほか、読影メニューが幅広いのも魅力で、契約施設は全国で400施設を超えています。
【読影内容】CT、MRI、大腸CT、CR、DR、マンモグラフィ、眼底、PET、RIなど
【HP】https://www.emsl.co.jp/center
画像引用:EIIS
EIIS(特定非営利活動法人エキスパートイメージングアンドインターベンショナルサポート)は放射線診断専門医が設立したNPO法人で、乳腺や心血管、胸部画像などの特定領域の遠隔読影にも対応しています。必要に応じて、情報共有のために依頼医と読影医の定期的なカンファレンスもおこなっています。
【読影内容】CT、MRI、マンモグラフィ、PETなど
【HP】https://eiis.or.jp
画像引用:エスフィル
エスフィルは放射線科専門医が設立した遠隔読影サービスの会社で、本契約前に「お試し遠隔画像診断サービス」を無料で利用できるのが特徴です。緊急サービスでは依頼後約1時間以内のレポート返送にも対応しています。
【読影内容】お問い合わせください
【HP】https://www.esfill.co.jp
画像引用:セコム医療システム ホスピネット
セコム医療システムではホスピネットという遠隔読影サービスを提供しており、充実したサポート体制とセキュリティ対策が魅力です。さらに、万が一の災害時にも対応できるように多重拠点となっています。
【読影内容】CT、MRI、核医学、CR、DR、マンモグラフィ、眼底、大腸CT、PET-CT、トモシンセシスなど
【HP】https://medical.secom.co.jp/it/hospinet
画像引用:ドクターネット
ドクターネットは国内の放射線診断専門医と医療機関をつなぐ遠隔読影サービスのプラットフォームで、数百人〜千人の放射線診断専門医が登録しています。診療や健診の読影業務のほか、ダブル読影やトリプル読影などにも対応できます。
【読影内容】CT、MRI、CR、DR、MMG、PET-CT、RI、マンモグラフィ、肺がんCT、脳ドック、DWIBS、冠動脈CTなど
【HP】https://dr-net.co.jp
画像引用:株式会社T-winメディカルラボ
株式会社T-winメディカルラボは、15名の放射線診断専門医が在籍し、幅広い診療科の遠隔読影や全国エリアの医療機関に対応している会社です。画像診断結果は依頼から翌診療日までに返送され、緊急読影や夜間、休日の依頼にも対応してもらえます。
【読影内容】お問い合わせください
【HP】https://www.t-winmedlab.jp
画像引用:株式会社iMedical
株式会社iMedicalは4つの大学病院と連携し、100名以上の放射線診断専門医が遠隔読影サービスに携わる会社です。タレントマネジメントシステムを導入しながら、画像診断の質を担保しています。
【読影内容】CT、MR、CR、DR、RI、PET、MG、検診CR、検診DR、Aiなど
【HP】https://www.imedi.co.jp
画像引用:株式会社エムネス
株式会社エムネスでは、常勤の放射線診断専門医が多数在籍し、読影内容の質問にも医師が直接応じます。必要に応じて、放射線診断専門医や放射線技師が撮影方法の相談にも応じています。
【読影内容】CT、MRI、RI、CRなど
【HP】https://mnes.life
画像引用:株式会社SEM
株式会社SEMは、翌営業日までのレポートの返送や、再読影に対応しているのが魅力で、緊急読影サービスを利用すれば2時間以内に結果が返ってきます。日本全国の医療機関のほか、カンボジアやマレーシア、フィリピンなど海外からの依頼にも対応しています。
【読影内容】CT、MRI、CR、RF、USなど
【HP】https://sem-medical.co.jp
画像引用:株式会社パラドックス
株式会社パラドックスの遠隔読影サービスは、健診向けの読影にも力を入れており、ダブルチェックを徹底して診療精度の向上に努めています。また、レポート受信用のパソコンやVPNルータなど、サービスに必要な機材を借りることが可能です。
【読影内容】CT、MRIなど
【HP】https://www.kkparadox.co.jp
画像引用:株式会社ネットホスピタル
株式会社ネットホスピタルでは、毎日の診療中に依頼できるプランと、必要なときだけ依頼できるプランが提供されています。各診療科の専門医が130名以上在籍し、レポートの返送は最短で翌営業日となっています。
【読影内容】CT、MRI、CR、DR、MMG、RI、PETなど
【HP】https://www.nethospital.co.jp
画像引用:株式会社ワイズ・リーディング
株式会社ワイズ・リーディングは、210件の医療施設で利用されている、遠隔読影サービスの実績が豊富な会社です。精度の高い診断結果を提供するために、放射線診断専門医や放射線技師、専門スタッフなどのダブルチェックを徹底しておこなっています。
【読影内容】CT、MRIなど
【HP】https://www.ysreading.co.jp
遠隔読影は、放射線診断専門医が不足していたり、読影業務が多かったりする医療機関にとって業務負担の軽減に役立つサービスです。導入することで画像診断の精度や医療サービスの質の向上も期待できます。
画像診断と画像診断レポートの作成院外に依頼できるため、医療機関では診断や治療方針の決定などにそのまま活用できます。
遠隔読影サービスを比較検討するときは、目的に合ったサービス内容が含まれているかを確かめることが重要です。対応している検査内容や読影レポート返送までの時間、土日祝や夜間、緊急時の対応など、自院の診療内容や診療時間などに適しているか必ず確認しましょう。気になる遠隔読影サービスの会社がみつかったら、資料を請求したり、詳しいサービス内容を実際に聞いてみたりすることも大切です。
本記事の内容や会社一覧の情報が参考になれば幸いです。